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涼やかな絵

umiyama
 毎日、蒸し暑い日が続きますが、皆さまお元気でしょうか? 梅雨が明けても、また昨年のような猛暑が来るのかと思うと、気が滅入ります。そこで、今日は涼しくなるような絵について、考えてみたいと思います。
 皆さまのお宅では何か絵を飾っていらっしゃるでしょうか? 額装の絵、軸物、色紙、短冊、あるいはカレンダーもきれいな絵がありますね。私は最近、あまりマメに絵を換えておらず、さぼりぎみなのですが、以前は季節に合わせて色紙や短冊を換えて楽しんでいました。
 夏にはよく富士山を描いた色紙をかけました。水墨画に薄く色をつけたものですが、そのあっさりした絵が夏には似合っているような気がしていました。

 もし、有名な絵を飾るとしたら、どんな絵が涼しくなるでしょうか。まず、思い浮かぶのは、夏姿の美人画、伊東深水の「銀河まつり」。過ぎてしまいましたが、七夕を題材にした絵で、青磁色の着物を着て、ぽっくりのような下駄を履いた少女が漆塗りの桶の前にしゃがんで、水あかりで針に糸を通そうとしている、その上には短冊のついた笹の葉が見える、という絵です。この構図は浮世絵にも見られる構図だそうで、このようにして、七夕の晩に銀河のあかりを水に映して糸を通せば縫い物が上手になるという言い伝えを絵にしてあります。
 青磁色の着物のたもとは長く、白い秋草が描いてあり、大きな紋がついています。帯は茶と薄い翠色が透けて見えるような博多献上の夏帯のように見えます。指先を真剣に見つめる少女の眉がまた涼やかですし、ちらりとみえる足も素足で、夏を感じます。この絵は藝大の美術館が所蔵しています。また見られるといいですね。
 上村松園にも蛍とともに流水紋の着物を着て立つ美人の絵や、やはり青磁色の着物を着た夏の女性の姿があります。夏の美人たちは青磁色の着物が多いようですが、たしかに、色そのものとしても、この薄い翠色というのは、観る者を落ち着かせてくれます。昼間の喧騒にさっと打ち水をしてくれて、夕べの涼しさを呼び込むようなところがいいのかもしれません。
 
yama
 もうひとつは山の絵。横山大観の夏山を描いた絵なら、きっとその前に立ったとき、爽やかな山の気を感じるのではないでしょうか。冷たい清水が谷をつくり、その冷気が霧や靄になって山々の谷から沸きあがる様子は、神秘的ともいえる日本の自然を表現しているようです。昔の人々がこの谷から沸き起こる気に竜神をみて、深山に祠を建てたことを思うと、日本画があのように霧や靄を表現できたことは必然のような気もします。朦朧体という言い方は大観自身にとっては悪口だったのでしょうが、つかみどころのない空気をあれほど豊かに表現したその技法を呼ぶのには、上手い言い方のように思えます。
 もちろん、山の絵なら、春に観た唐招提寺の障壁画の山々もすばらしいものでした。東山魁夷画伯の描く山も、私たちの熱くなった頭を冷たく冷やしてくれそうです。
 とはいえ、大観や東山魁夷の絵は複製品といえどもなかなかのお値段。波に千鳥の「氷」という旗で涼を楽しんでもいいですね。波のしぶきがすてきで、元気が出るようなデザインです。


(写真は昨年の足立美術館「海山十題」展のちらしと横山大観の「朝嶺」の絵葉書です。)

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コメント

残念ながら、私の家には絵がありません。以前ポスター類や日本画のカレンダーを飾っていたのですが、なんとなくやめてしまいました。また何かを飾ろうかな。

また涼やかな絵とは言えないかもしれませんが、大観であれば、『曳船』『夕立』『隠棲』がいいのかな。いずれも上部に大きく空間の取られているので、何か惹かれます。

今年のお正月、国立博物館で籤引きをして、カレンダーが当たりました。7,8月は「瀟湘臥遊図巻」という南宋の水墨画です。なかなか渋いですよね。でも、大観の絵の方が好きです。ただで貰ったので、文句は言えませんが。

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