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楽山焼と布志名焼

tanabe
 この土日は、松江の花火を見てまいりました。湖上に打ち上げられる6000発の花火は宍道湖の水面に映ってとてもきれいでした。宍道湖と中海を結ぶ川にかかる何本かの橋の上は花火を見る人で列になりましたが、そう混んでいるわけではなく、欄干に寄りかかってのんびりと見物できました。
 花火も毎年、新しい作品ができるようで、今年初めて「ドラエモン」とか「にこちゃん」と呼ばれているものを見ました。人々を惹きつけておくには、常に目新しいものを生み出す努力がいるものなのだな、と思いました。

 さて、松江では田部(たなべ)美術館に行ってみました。田部美術館は松江城のお濠端の塩見縄手にあります。近くには小泉八雲が住んでいた「ヘルン旧居」と「小泉八雲記念館」の他、「武家屋敷」、松平不昧公が建てた茶室の「明々庵」、アールヌーヴォーの作品、特にエミール・ガレの陶器を集めた「松江北堀美術館」などがあり、この辺りは観光客が多く訪れるところです。

 7月に訪ねた静嘉堂文庫で見た京都の焼き物がこの松江で作られていた楽山焼に似ているような気がして、それを今回確かめようと思い、行きましたが、展示してあるものの中に似たものは見つかりませんでした。
 楽山焼は延宝5年(1677年)松江藩3代藩主 松平綱近の時代に、倉崎権兵衛、加田半六という陶工が萩から呼ばれ、開窯したと伝えられています。初代藩主の夫人の姉が毛利公の奥方だったため縁があり、萩で定着しつつあった陶技を松江にも伝えたい、ということで招聘したそうです。平成6年に田部美術館で行われた「古楽山茶碗と水指」という展覧会の図録を読むと、江戸時代、国焼きの中では楽山焼が伊羅保写しの最たるもので、茶の湯の世界では人気のあるものだった、とありますが、その歴史についてはほとんど文献がなく、いまだ研究があまりされていないようです。
 現在、茶碗などの箱書きに「権兵衛」「権兵衛作」とあるものは初代権兵衛を指すのではなく、一般的には窯の称と理解されており、それだけに随分といろいろな作ゆきのものがあるようで、初代権兵衛の後、いくつかの窯がそれぞれに活動していた様子が伺えます。

 今回も楽山焼と布志名焼を並べた展示室がありましたが、もう一方の布志名焼も地元の窯です。こちらは茶陶ではないのですが、これまた和風の胎の上にちょっと中国風の絵付けがされていたりして、おもしろい陶器です。
 楽山焼と布志名焼に色絵が導入されたのは楽山焼6代目の空斎のときでした。空斎は布志名焼の土屋家2代目、雲善の次男で藩命によって養子になったという人です。文政4年(1821年)長崎へ遣わされ、上絵を学び、帰路には肥前唐津へも行って修行をしたと伝えられているほか、江戸と松江の往復の機会も多くあって、途中の京都で陶芸を見てまわったことは容易に想像できます。
 ということなら、私が古清水焼を見て楽山焼を連想したのも、もしかしたらまったくの勘違いということではないかもしれません。藩命を受けて窯の興隆を考えていた空斎が、これは、と思った陶器を真似して作ってみるということがあったかもしれません。過去の図録の写真を見ると、黄色の地に絵付けをしたものは楽山焼よりむしろ布志名焼に多くありましたが、ものによっては布志名焼に見えるようなものに楽山の判が押してあることもあるそうで、人の交流があれば、そういうこともうなづけます。

 静嘉堂文庫で見た「色絵鳥兜香炉」のような京焼を見た空斎が自身の実家である布志名焼の土で京焼風の陶器を作ってみたり、長崎で見た西洋の文様を陶器に写してみたりと工夫を重ねて楽山焼を発展させていったのかもしれない、と考えると、空斎もまた、あの花火の新作を考えている現代の花火師と同じだと思えます。
  

 田部美術館の2階は「実り豊かに」というテーマで茶道具が組まれて展示してありました。初代寒雉の南瓜釜が見事で、稲穂の柄の楽山焼の茶碗がすてきでした。螺鈿細工で短冊のようなものが下がっているデザインの香合はスズメを追い払う「鳴子」でした。松江周辺の稲田はまだ青いものの、すでに稲穂が下を向き始めていました。実りの秋まで数週間、暑さを我慢いたしましょう。
(ちらしの写真の「第二展示室 四季の茶道具」をご覧ください。クリックすると写真は大きくなります。)

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