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ご馳走を見て感謝する

6gatu


 先月につづいて、お茶事に参加しました。
 今月は表千家4代目の江岑が好んだという三木町棚でした。三木町は紀州和歌山市内の町名で、千家はこの4代目の時から紀州徳川家に仕えており、三木町の下屋敷にあった樅、檜、杉の残り木で棚を作らせたのでこの名があるといいます。また、一説には、紀州公から拝領した菓子折の箱を使ってこの棚を作らせた、とも言われているようです。

 棚はルーズな造りで、そこに面白味があるというものらしく、木地のままですし、上についている引出しも隙のあるものです。濃茶のとき、茶入れを入れてあった仕服をこの引出しにしまいます。この棚と同じかたちで桐木地のものもあり、これは6代目の覚々斎が作らせたものだそうです。

 今日の掛け軸は「六月買松風」というもので、たっぷりした筆で書かれた「六月」の文字がすっきりとして、うっとうしさを忘れさせてくれるようでした。この禅語、もとは「六月買松風 人間恐無価」というものだと思われ、「六月に 松風を買わば 人間 恐らく 価なからん」と読むもののようです。意味は、なかなか深そうです。真に理解することは不可能でも、禅語の解説書でも買って少しは勉強しなくてはなりません。

 今日ご紹介したいのは八寸のこと。「八寸」は八寸(24cm)四方のへぎ盆(杉木地盆)に出される取り肴です。懐石料理の半ば、主客が杯の献酬をしますが、その時に主人はひとりずつの席の前にこの八寸と酒を持ってまわります。そうして、客は亭主が差し出してくれた八寸を受け取ってじっと見るのです。すぐに取って食べるのではないことが、なんともおもしろいと思いませんか? 

 盆の上には海のもの(鳥や魚)と山のもの(精進)の2種の肴がきれいに盛り付けられています。客はこれをじっと見たあと、盆を反対向きにして亭主に返し、返された亭主は客の箸洗い(吸い物椀)の蓋に取って進めるのです。この日は海藤花(かいとうげ)と万願寺青唐辛子でした。どちらも珍しい食材で、文字通りご馳走です。海藤花は蛸の卵で、藤の花に似ているところからきている名前ということですが、私は初めて食べました(たぶん。もし、そうでなくても意識して食べたのは初めてです)。

 ふだんの生活の中で、私などついつい食べ物に対する感謝の気持ちを忘れてしまいますが、こんなふうにお茶事の中で、形として食べ物に対する感謝や、料理を用意してくれた人への感謝ということが行われていることに気づくと、反省させられてしまいます。蛸の卵も珍しく、京野菜の万願寺青唐辛子も近くの店では見たことのない野菜ですが、いつも食べている魚もノルウェーやカナダやアフリカの海からやってきたものがたくさんあるのです。最近は野菜にしてもトンガからきた南瓜があったり、中国からきた椎茸があったりします。蛸や青唐辛子以上に遠くから調達されている食べ物は珍しくないのです。

 昔の茶人たちは、日本人が世界の食物を食べることを予想していたわけではありませんが、茶事の型の中に、調えられた食べ物に対する感謝の儀式を取り入れておいたことに、私たちは気がつくべきでしょう。
 
 和食の美しさは世界の料理の中でも指折りのもので「日本の美」のひとつと言えると思いますが、子どもたちには料理を美しく盛り付けることと同時に、美しく盛り付けられた料理を見て、感謝する気持ちも伝えていきたいと思います。

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コメント

ごめんくださいませ^^
いつも拝読させていただいております♪

表千家のお茶事にいかれたんですね^^
羨ましい限りです。

すべての事に感謝すること。。。。大事な事ですよね~~
生活していて感謝の気持ち、忘れがちです。

その気持ちを大切にしていきたいものです。。。。

●anzuさん、コメントありがとうございます。
お茶事は表千家の残月亭と同じ間取りのところでしています。贅沢なことです。「そのかわり、どこかに無駄遣いしていないか、いつも考えているのよ」と、先輩が言った言葉どおり、私も他のことは堅実にやっていこうと努力しています。これからも、どうぞよろしくお願いします。

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