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  • 5月3日小石川の後楽園の庭を歩きました。

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わからないのに、心ひかれて

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 今年にはいってから、なぜか能の舞台が観たくなり、何回か足を運びました。「西行桜」、「海士」、「江口」、「天鼓」、「雲林院」、「加茂」、「鵜飼」など、能楽の入門書の筋書きなどを参考にして、観たい演目を選び、ネットで検索してはチケットを手に入れて観にいきます。

 観る前には少しだけ予習をします。話のあらすじはパンフレットやちらしにも載せられているので、さらに理解できるようにと、古典文学全集の「謡曲集」で謡を読んでから参ります。

 以前に観た時は和綴じの謡の本やその雛形のミニ本を買ったりしていましたが、ひとつの会で能だけでも3つ、4つの演目があるので、経済的ではなく、まとまった本の方が便利、とこのようにしています。ただ、演目によっては本に収録されていないので、そういうものはぶっつけ本番のこともあります。

 なぜそのような予習が必要かと言えば、やはり面をつけての謡はよく聞こえないことが多いのです。大きな声で、朗々と歌われる方ばかりではないし、たとえ大きな声の方でも鼓や太鼓、地謡の声にかき消されてしまうこともあるのです。面をつけていないワキの人の言葉はわかってもシテの声が届かないのでは話がわかりません。歌舞伎のようにマイクを使うという手もあると思いますが、やはり、それはそれで、失うものもあるような気もします。私は行ったことがないのですが、薪能の時などはどうするのでしょうか?

 休日の午後いっぱい、ずっと座って観ていると、人の声というのは心地よく、時には睡魔に襲われることもありますが、唐織の美しい衣装のシテがこの世ならぬ風情で軽やかに回ったり、人の苦しみや悲しみをその表情に凝縮したような老人や武士や女の面が、現実的な重さをひとつも感じさせない歩き方で登場するのを見ると、本当に惹きつけられます。

 また、能を観るようになってから、美術品を見るときにも意外に多くのものが能と関わりを持っていることに、今更ながら気づきました。先日も、高島屋で行われていた神坂雪佳展で「草紙洗小町図」というものを見たばかりだったのですが、17日の宝生能楽堂では「草紙洗」が演じられ、なるほど、この話の絵だったのか、と思いました。

 この絵は王朝の美女が江戸時代のお姫さまが使っていたような蒔絵の盥の中に本を入れている絵です。どうして、本を盥に入れているのか、と思いましたら、次のようなお話でした。

 宮中の歌合せの前日、大伴黒主は対戦相手の小野小町の家に忍び入り、小町が歌合せで詠もうとしている歌を万葉集の中に書き入れます。歌合せの時になって、黒主は小町の歌が万葉集からの盗作であると主張し、先に自分が歌を書き入れておいた草紙を示します。しかし、帝の許しでその草紙を洗うと、前日に書いた歌は消え、黒主のはかりごととしれます。最後は、小町が帝に黒主を許してくれるよう嘆願し、自害しようとしていた黒主も許されてハッピーエンドとなります。登場人物は実在の人物ですが、お話はフィクション。それでも、宮中の歌合せの場面など、華やかな舞台でした。

 このように絵の主題になっていることも、あるいは茶碗の銘に謡からきた言葉がつけられていることもあります。奥は深そうですが、知れば知るほど日本の美術と関わりのたくさんありそうな能楽、これからも機会を見つけて行ってみたいと考えています。

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