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秋草と蔬菜と

Karaori


 若冲展が終わって静かになった上野の国立博物館に行ってきました。常設展はこの日が最終のものも多く、ちょうど展示替えの境目のようでもありました。

 この日のお目当ては8月の末から展示の始まった唐織の能装束。唐織とは室町末期ごろから織られるようになった織物で、文様の部分をすこし刺繍のように浮かして織った華やかなものです。現在では帯に使われる唐織ですが、能の世界では小袖になっていて、その文様は登場人物にちなんだものとなっていることが多いそうです。

 展示室には9枚の小袖が飾ってありました。東京国立博物館のホームページでも紹介されているのは「唐織 金地松帆模様」という、帆掛け舟の柄の、鮮烈な印象のもの。ほかには「紅地七宝繋額模様」という、額がデザインされているちょっとふしぎな模様のものや「紅緑段御簾色紙短冊萩模様」など、美しいものがありました。一番気に入ったのは、「濃茶茶浅葱段秋草模様」という唐織。渋い色使いをしているのですが、色数があり、控えめな華やかさがあります。色からいうと少し年配の女性の衣装でしょうか。

 秋草も大好きな意匠のひとつ。尾花の原に萩、女郎花、桔梗、菊が織り出してあって、涼しい秋の野で、露にぬれた草花を楽しむ気分になります。能で、秋の題材を扱う演目はどのようなものなのでしょう。私の持っている能の本では、「当麻(たえま)」に登場する尼君(実は阿弥陀如来)が秋草の衣装を着ています。彼岸の中日に当麻曼荼羅のいわれを語るという筋ですから、時期的にはあっていますね。

 秋草といえば、酒井抱一の「秋草図屏風」も展示中でした。人が少なかったので、ひとりじめ。蔦の葉の鮮やかさ、濃い群青色の実、からまる蔓の強い線など、堪能してきました。葛、藤袴、蔦、朝顔、芒、百合などが銀色の画面に美しく描かれています。本当に、光琳の風神雷神図の裏にこの絵があったとは、なんとも贅沢な屏風です。

 また、蒔絵の展示室に、「ささげ蒔絵矢筒」というものがありました。金蒔絵の虫食いの葉と螺鈿の豆のさや。長いさやをつけたささげのデザインはとても健康的なおもしろさがあるように感じました。蔬菜や果物という題材は、何かを暗示していることもあるのでしょうが、どこか日の光を思わせる明るさがあるように思います。狂言の衣装に、よく大きな野菜が描いてありますが、笑いと健康的なデザインがよくあっています。

 狩野元信の「蔬果図」は枇杷、蓮根、石榴、柿が四幅の掛け軸になっていましたが、どのような時に飾った絵なのか、気になりました。
 秋草と蔬菜の上野博物館。他にも修復がなった、国宝室の「国宝 一遍上人伝絵巻 巻第七」やいわき市、とされている鎌倉時代の「阿弥陀如来像」の大きな絵画など、見どころはいろいろで、おすすめです。


(写真は社会人になったばかりの頃、初めて自分で買った帯です。唐織の写真が見つけられなかったので・・・)

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コメント

こんにちは。
昨日、俳画のお道具をそろえるため東京に出かけ、買物の前に出光美術館の「風神雷神図屏風」展を観てまいりました。66年ぶりに宗達、光琳、抱一の三者が時を越えて会した幸福を味わいました。秋─秋草─琳派という図式にならい、わたしも「秋は琳派」と決めこんでいますけれども、「琳派」とひとくちに言っても、やはり根幹は光悦・宗達─光琳・乾山─抱一・其一の流れで、その他多勢は枝葉と考えます。これは同館の主任学芸員の方も同じ意見のようです。かなうことなら、宗達の「風神雷神図」、光琳の「紅白梅図」、抱一の「夏秋草図」を並べてみたいものですね。
乾山、狩野派(永徳、雪信、一蝶)、等伯の作品と生きざまを描いた小説『乾山晩愁』(葉室麟著、新人物往来社刊、昨年の歴史文学賞受賞作品)をおすすめします。ご興味がありましたらどうぞ。こちらで紹介しています。
http://myshop.7andy.jp/myshop/setsugekka_2?shelf_id=06

●私も先ほど、勤め帰りに見てまいりました。宗達の風神雷神はすばらしいものですが、抱一の白い画面に描かれた燕子花も墨色と淡彩のまじるすてきなものでした。金の屏風画面には水に映る葉は描かれていませんが、墨の絵の方には、燕子花が水面に影をおとしていて、それがまた、美しく感じられました。琳派は、時を超えて美しいものを求め続ける大きな流れです。私にはまるで天の川のように感じられます。

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