最近のトラックバック

美術に関する本

作品が掲載されているHPへ

  • 八橋蒔絵硯箱
    燕子花と橋のデザインされた光琳の作品 (東京国立博物館HP)

裏磐梯 五色沼周辺 1


  • 猫魔から五色沼入口へ向かう散策路を歩きました

さくら

  • Dsc00334_edited
    いろいろなところで撮った桜の写真です。

青楓の小石川後楽園


  • 5月3日小石川の後楽園の庭を歩きました。

« 暦という今年の顔 | トップページ | ティファニー美術館の浮世絵 »

赤羽末吉の絵本古事記

Kojiki

 週末には法事で松江に行きます。あれからもう、1年経ってしまいました。
 松江に行く、ということでふと思い出したのですが、子どもたちが幼い頃、『日本の神話』(あかね書房)という古事記の神話を絵本にしたものを買いました。6冊組みのもので、第一巻「くにのはじまり」、第二巻「あまのいわと」、第三巻「やまたのおろち」、第四巻「いなばのしろうさぎ」、第五巻「すさのおと おおくにぬし」、第六巻「うみさち やまさち」という6冊です。

 これらの神話には、舞台として出雲が出てきます。「やまたのおろち」は退治されて斐伊川となり、「いなばのしろうさぎ」もこの辺りの海岸で鰐に襲われたというのです。また、伊邪那美神(いざなみのかみ)は出雲と伯伎(ほうき)国の境の山に葬られますし、黄泉の国との境である黄泉比良坂(よもつひらさか)は、今の出雲の国の伊賦夜坂(いふやさか)なのである、と『古事記』は言います。

 これらの絵本を買ったのは、わが子たちに父親の出身地である出雲に関わる神話をきちんと伝えてやりたい、という気持ちもありましたが、私自身、幼稚園のお遊戯会で「いなばのしろうさぎ」のウサギになったり、長編アニメのスサノオとやまたのおろち(題名は忘れてしまいましたが、有名なアニメではないでしょうか)を見て、近所の友達とおろちごっこ(?)をしたり、本で海幸山幸を読んで楽しんだ記憶があったからでもあります。こうした古事記の神話は、昭和の30年代、40年代ごろはそれと気付かぬうちに子どもの世界に取り込まれていたのです。

 結婚して松江に行ってみるとそこは神話の世界、古事記の世界のような感じがしました。スサノオノミコトがその妻に詠んだ歌にでてくるような名前の八重垣神社。バスの行き先名さえ、不思議な読み方の地名に見えました。夏の祭の時には神楽のおろちが舞いを舞っていました。また、最初に行った頃はまだ空港の周囲も整備されておらず、出雲空港から出てくるとバスの車窓から蒲の穂がみえて、私は「さすが、因幡の白兎の本場だ」などと、つまらぬことさえ古事記の世界に結びつくような気がして喜んでおりました。

 そんな出雲の神話を描いたのが、赤羽末吉さんの絵本です。神話という、表現するのには混沌としていて難しいであろう世界をとてもすっきりとしかも力強く表現しています。登場する神さまたちはあまり大きくは描かれていません。すこし離れた視点で描いています。その大きさのほどが、私にはちょうどよい、と感じられます。神話は遠い昔の話なのです。しかも絵は、品位を保っています。具体的過ぎず、抽象的過ぎず、微妙なバランスがとられているように思われます。さすが、世界の絵本作家として数々の業績と受賞暦を残された赤羽さんです。『ス-ホの白い馬』も有名ですね。

 神話にしても、絵本にしても、ときどき触れてみると、新たな謎が見つかるということはないでしょうか。古事記のストーリーは何を伝えているのでしょうか。子どもたちのために買ったはずの絵本ですが、開いてみるといつの間にか引き込まれます。絵本はカレンダー同様、身近において楽しめる美術品ですね。


(写真は『日本の神話』 1巻から6巻 撮り方が下手で光ってしまいました。クリックすると大きくなります。)

« 暦という今年の顔 | トップページ | ティファニー美術館の浮世絵 »

コメント

郁さん、すっかりご挨拶がおそくなってしまいましたが、今年もどうぞ宜しくお願い致します。
昨年はお姑さんの入院、ご葬儀と大変だったのですね。
松江は私も数年前初めて訪ね、ここに神々がいるというのはわかると肌で感じました。なんとはなしにおどろおどろしい感じというのか、感じるものがあります。小泉八雲も松江だからこそ見えない何かを感じ取ってたくさんの物語を残したのだと思います。
読んでいてまた行きたくなりました。出雲の国へ。

●m-tamagoさん
こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。去年と違って今年は比較的暖かな松江でした。さほど大きくない神社でも何か風格があり、手入れされた松が美しい町です。商店街の中にも毘沙門さまがあったり、すこし立派なお地蔵さんがあったりします。昔の日本人が大切にしていたものを、今でも大切にしているように思えます。
6年前に建てられたというティファニー美術館が閉館してしまうというので、法事の後、行ってみました。ジャポニスムの影響下に創られた作品が見られました。

こんにちは。
お伊勢参りの土産に母が買ってきた6巻セットの「古事記」の漫画がありまして、娘がよく見ています。ご紹介されている絵本とほぼ同じ表題です。私自身小さい頃、神話とは知らずに見たり聞いたりしていたものがあるとき「古事記」と知って驚いたことがあります。そうやって次の世代へと伝えられていくのでしょうか。
こちらの絵本の方も是非見てみたいと思います。

●tsukinohaさん、こんにちは。
「古事記」の漫画もあるんですね~。神話でも古典でも、絵本や漫画でそれとなく入っていき、大人になって原典を読むとまた発見がある、というのはおもしろいと思います。
人間の根本の問題を扱っている神話の世界は一度読んだくらいではわかりません。純な子どもの頃から繰り返し読んでみて、だんだんにそのテーマの意味がわかるのかもしれませんね。

いま、薮田絃一郎著「ヤマト王権の誕生」が密かなブームになっていますが、
それによると大和にヤマト王権が出来た当初は鉄器をもった出雲族により興
されたとの説になっています。
 そうすると、がぜんあの有名な山陰の青銅器時代がおわり日本海沿岸で四隅突出墳丘墓
が作られ鉄器の製造が行われたあたりに感心が行きます。当時は、西谷と
安来-妻木晩田の2大勢力が形成され、そのどちらかがヤマト王権となったと
考えられるのですがどちらなんだろうと思ったりもします。
 西谷は出雲大社に近く、安来は古事記に記されたイザナミの神陵があるので神話との関係にも興味がわいてきます。

●大和島根さん、コメントありがとうございます。出雲の玉鋼のことを、私は司馬遼太郎さんの本で知りました。世界でもトップレベルの品質を持つという鉄の伝統が古代から続いている、と想像するのはなんだか楽しいことですね。松江から車で安来方面に少し行くと黄泉比良坂(よもつひらさか)がありますが、神話世界の地名が現実にあるなんて、出雲・伯耆のあたりはおもしろいですね。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/88028/13580960

この記事へのトラックバック一覧です: 赤羽末吉の絵本古事記:

« 暦という今年の顔 | トップページ | ティファニー美術館の浮世絵 »

日本の美術・アジアの美術2

夏の会津

  • 15  喜多方の観光馬車
    会津若松で白虎隊の墓所、御薬園、鶴ヶ城をまわりました。