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土と筆と形を楽しむ志野と織部

Sinotooribe


 出光美術館で20日から始まった「志野と織部」展に行きました。出光美術館の所蔵品だけではなく、有名な「卯花墻」(国宝)や「峯紅葉」(重文)も出ており、茶道をなさる方や陶芸好きの方には見逃せない展覧会になっています。

 志野は白い土の上に橋や門、あるいは秋草のような簡単な絵付けがしてあります。展示ではその表している橋や門の意味を解き明かし、パネルで関連する屏風絵などが紹介されていました。焼物の肌がオレンジ色にほんのりと染まった様子が美しく、また、側面からみると茶碗も水指も正方形に近い、どっしりとした形をしているものが目立ちます。私は志野の水指の安定感が好きです。

 鼠志野というものも大好きな陶器です。茶色と鼠色の入り混じった色合いがなんとも言えず、そこに白い文様があることで、地味な茶と鼠がとてもおしゃれな色に感じられるのです。土の肌、絵付けの筆遣い、そしてゆがみを持った自由な形というものがひとつにまとまって日本独自の美を創っています。

 自由さということでは黒織部と呼ばれる陶器が群を抜いているのではないでしょうか。沓形と言われる少し横に長い形の茶碗を見ていると、これに緑のお茶が入れられ出てきたら、どのような口当たりなのだろうかと、想像をかきたてられました。少し重くてあつぼったい志野よりは、口縁部にぽってりと端反りのある織部は飲みやすそうに思います。

 こうした自由な形や絵付けの陶器を見ていて、昨晩息子が古典の勉強で音読していた徒然草の内容が思い出されました。鯉料理の上手な人が、みんなの期待を感じ取って「ちょうど今、私は百日鯉料理をつくることをしているから料理させてくれ」と言って鯉をさばき、皆を喜ばせた。が、それを聞いたある人は「そんなわざとらしいことを言わず、私が料理するよ」とだけ言えばよいのに、という内容でした。人を接待する時にしても、人に何か贈り物をする時にしても、わざとらしくではなく、率直なやり方の方が好ましい。が、それはなかなか難しい、という結びになっていました。

 ものづくりでも、同じことが言えるのではないでしょうか。名品というものは素直な感覚で作られたものが多いように思えます。自由な形を作り出している志野や織部も、ひとつ間違うとわざとらしくなってしまいます。作意はあっても、偶然の美しさも大切にされている、とでもいうのでしょうか。形にしても、釉の調子にしても、筆遣いにしても、どこか神仏にまかせてしまっている部分があるものに良さが光る気がします。これが日本の美に対するひとつの姿勢であるように思います。

 また、出光美術館には窓側に陶片収蔵室がありますが、ここにも志野や織部の発掘品が展示されていました。ここにある陶片は過去に集められたものだそうですが、志野・織部以外にも中国、朝鮮、タイ、その他日本の各地のものが明るい陽の光のなかで見られて、各窯の特徴を知ることができます。お時間のある方は是非ご覧になってください。
ここで見る海外の陶器を見るにつけ、志野のお皿の裏の白いやわらかな土の様子がなんともいとおしいような気分になり、日本人でよかったなぁ、などとオーバーな感想を抱いてしまいました。


(写真は「志野と織部」展のパンフレットです)

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コメント

志野・織部、どちらも好きです。
徒然草の一文は、まさに「同感!」の一語です。・・・でも、余計な言葉を付け加えてしまいがちです。反省せねば、と思います。

●率直であることは、簡単なようでいて難しいのかもしれません。何か言おうとした時、つい妙にサービス精神を発揮してしまったり、逆に言葉が足りなかったりしてしまいます。自然にふるまって丁度良いくらいになるには、人生の修行が必要なのでしょうか。

こんにちは。
先週、出かけてきました。
>名品というものは素直な感覚で作られたものが多い
まったく同感です。
作為をなくす事がいかに難しいか。
子どもの作ったものがいいと呼ばれる所以、ですね。

●tsukinohaさん、こんにちは。
子どもの作品にはパワーがありますよね。
このパワーって、何なのでしょうね。
大人になってもこの力を持ち続けるには
どうしたらいいでしょう。

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