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松田権六の檜

Matsudagonroku


 国立近代美術館に行きました。以前、オリエント博物館に誘ってくれた友人と結婚したばかりの、そのご亭主、会社のお友達という4人で行き、横山大観の『生々流転』や柳宗理の「生活のなかのデザイン」展、常設の絵画、そして工芸館の「松田権六の世界」展を見てきました。みんなで行くと、自分ひとりでは気付かなかったものに気付くことができて、楽しい美術鑑賞の一日になりました。

 午前中本館を見て回り、午後から工芸館に行くと会場は混雑していました。先にこちらに来るべきだったね、と言いながらも、人の肩越しにのぞいたり、列に並んだりしながら見学しました。流れが止まるというほどのことはなく、皆それぞれが好きなものの前では時間をかけて美しい漆芸の技の粋を楽しんでいました。

 私は以前、漆に夢中になっていたことがあり、その頃『日本の漆器』(読売新聞社)という本を買いました。写真と随筆や取材文で構成されるムックです。初版は1979年ですが、私の持っているのは6版で、1985年に出版されたものです。今回、展覧会を見に行く前にこの懐かしい本を久しぶりに開いていたのですが、ここに紹介されている漆芸品がたくさん「松田権六の世界」展に出品されていました。飽くことなく写真で何度も見ていたものを実際に見ると、なんとも懐かしいような気分になり、また漆芸の趣味を再開しようかとも思いました。


Nihonnosikki

 一番出会って嬉しかったのは「檜文色漆盆」。大きな黒い丸盆に、まるで本物の檜の枝を広げたような鮮やかな緑色の檜の絵がすばらしい盆です。葉の先端部分は少し黄色味がかった色漆で描かれ、枝や実の部分には金蒔絵が使われ、また、ところどころに赤い漆が点々とおかれています。松田権六という人のすごいと思うのは、さまざまな技術を非常に効果的に使っているところです。単に技術を持つのではなく、それを使うべきところで使っているというところです。この展覧会の作品たちも氏の研ぎ澄まされた感覚と神経の細やかさ、それでいて大胆なアイデアにあふれたものでした。

 7歳の頃から漆芸の修業を始め、東京美術学校の卒業制作では満点をつけられ(「草花鳥獣文小手箱」―今回の展覧会にでています)正倉院の工芸品の復元、研究にも携わったという松田権六は漆芸の世界でも特別な存在です。『うるしのつや』などの本も書いており、作品だけでなく、言葉を通しても私達に漆のことを教えてくれた人です。美術の世界にはときどきそうした作品と言葉の両方に長けた人物が登場して、美術の世界と一般の私達の間を取り持ってくれるように思います。今朝の「新日曜美術館」で取り上げられた志村ふくみさんという染色家もそうしたおひとりだな、とテレビを見ていて感じました。ものづくりの人でしかわからないある瞬間や微妙な感覚が語られるのは、貴重なことに感じます。

 展覧会には松田権六の作品だけでなく、前大峰、音丸耕堂、田口善国、寺井直次、大場松魚、増村紀一郎、中野孝一、室瀬和美らの作品も展示され、一級の漆芸品を同時に見ることができました。


(写真は「漆芸界の巨匠 人間国宝 松田権六の世界」展の図録、読売新聞社刊 『日本の漆器』です。)

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コメント

 ほんとうに、見入ってしまう作品ばかりでした。デザインも色使いも技術も、とくに技術はこれ以上のものがこれから出てくるのかな・・と感じました。
 すてきな展覧会教えてくださって、ありがとうございました。
 また、今度は混んでない展覧会をゆっくり見て周りたいです。誘ってくださいね。
 暖かくなったら、少し遠出をしてお花を見ながら・・なんてのもしてみたいです。

●こちらこそ、楽しかったです。
そう! お花見もいいですね。またよろしくおねがいします。

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東京国立近代美術館工芸館で開催中の 「漆芸界の巨匠 人間国宝 松田権六の世界」展に行って来ました。 ほとんど興味関心の無いジャンルの展覧会なので普段ならパスするのですが 1月7日に松田権六についてNHK教育テレビ「新日曜美術館」で放送されたのを観て 俄然実物をこの目で観たくなり、工芸館まで出向いてきました。 「人間国宝」なんて言われると天邪鬼な自分はつい眉をひそめてしまいます。 ところが松田権六の漆工芸に対する姿勢は大変謙虚です。 松田の漆芸は古典研究に深く裏付けられ、... [続きを読む]

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