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仙厓義梵のたおやかな茶杓

Sengai


 出光美術館の仙厓展に行きました。「没後170年記念 仙厓 センガイ SENGAI 禅画にあそぶ」と銘打たれた展覧会の会場は金曜日の夕方にしては混み合うこともなく、ゆったりと観てまわることができました。これまでも幾度か仙厓の展覧会を催しているせいなのか、説明のパネルも多く設置してあり(しかも英文も併記してあるところが親切です。東博もこのようであると、観光日本も近づいてくるかもしれません。)読めない筆文字に苦しむことはありません。

 「指月布袋画賛」はパンフレットや図録の表紙にもなっていましたが、お月さんを指さしてひげ面をほころばせている布袋さんと、同じようにお月さんに喜んで両手を挙げている小さい男の子の絵です。簡単な線で描かれているのに、ふたりの動きが感じられ、またその浮き浮きした心も感じられる明るい絵です。以前、このブログでご紹介した蜆子和尚という中国のお坊さんを描いた絵も「むつかしいことは置いておきぃ」とでも言っているような、気持ちを開放してくれる絵でしたが、今日見た仙厓さんの絵はどれも人の気持ちをやわらげてくれるように思いました。

 普通なら、人相のあまりよろしくない、不気味な顔で描かれる「渡唐天神」も仙厓さんにかかれば、やさしいおじさま風の天神さんになりますし、「三聖画賛」の老子・孔子・釈迦はにこにこしながら鍋を囲んでいて、親しみが湧いてきます。でも、このように仙厓さんが人々を解放へ向かわせようとしたのは、どうしてなのだろう、と疑問も湧きました。

 仙厓さんがこれらの絵を描いた文化文政から天保へという時代は、庶民が活躍した時代だと聞いています。人々にはまだ自由がなく、束縛されることが多かったのでしょうか? それとも、暮らしは余裕をもっていても、宗教の上では何かに捉われているのを見て、仙厓さんが禅の自由さを表現していたのでしょうか?

 おもしろいと思ったのは「老人六歌仙」という絵。老いを捉えた歌が書いてあり、よたよたした老人が描いてありました。でも、それが何かかわいらしい老人たちで、こちらも「まあ、いいか。みんな老いていくものだもの」と他人のことにせよ、自分が老いることにせよ、ゆったりと受け止める気持ちにさせてくれます。

 このように絵を見ていると、軽みの中で飄々と、ややもすればいいかげんな感じの仙厓さんですが、その本質はとても真面目で凛とした人であったように思います。それは仙厓さんの遺愛の茶碗を見た時にそのように感じました。小さな織部の筒茶碗と古唐津の茶碗は端整な形をしていて、仙厓さんの別の顔を見た思いがしました。

 また、自作の茶杓はどれも素直で美しく、デリケートさと、受け入れてくれるような広さを感じるすばらしいものでした。それぞれに工夫された筒もおもしろく、茶杓などめったにほしいとは思わないものですが、仙厓さんの茶杓は持っていたら嬉しいだろうな、と思われました。

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コメント

郁さん、TBありがとうございました。
私の記事は「仙厓展を観る:お笑いヴァージョン」といったところですが、美術展でこれほど楽しめるものもないと実感しましたので、大胆にもTBさせていただきます。
私が仙厓の作品や経歴を観ながら感じていたのは、河合隼雄先生のことでした。このユーモア、庶民にそそぐ眼ざしの温かさ、自己を客観視する冷徹な知性など、「ここに河合先生がいる」と畏敬の念を抱きながら拝見しました。
学芸員の解説はいたれりつくせりでしたが、かなり個人的な解釈が入っていると感じました。(特に「自画像画賛」背を向けた仙厓の達磨姿です。)でも読めない筆記体をきちんと読めるようにしてくれているのは、本当にありがたいですね。

●あくあさん、TBありがとうございます。
あくあさんは河合隼雄先生を思われましたか。
私は、かこさとしさんを考えましたよ。
だるまちゃんやだいこくちゃんが出てきたり、
いろんな物や人が登場しているところが
似ているかな、と思いました。

絵までそっくり、と思った仙厓さんがあっちを
向いている涅槃図は、絵を描いたのは仙厓さんでは
ありませんでしたが、でも、そうやって何でも
笑いに結びつけてしまう明るさは仙厓さんの
居たコミュニティの雰囲気だったのでしょうね。

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