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道安のどっしりした竹花入

Douan_2


 白金台にある畠山記念館に行きました。昨年、今年と同館の発売するカレンダーを手に入れられなかったので、来年の分はなくならないうちにと12月に入ってすぐに訪ねたというわけです。当日はちょうど催しやお茶会があって随分人がおおぜいでしたが、ひととおり茶道具を見て回って帰って来ました。

 今日気になったのは千道安作の竹一重切花入と銘を木莵(ふくろう)という瓢花入でした。竹一重切花入はどっしりした姿で、竹の根の生えていた部分が大地にがっしりと末広がりに食らいついているかのような印象がありました。道安の名がついたものとして、やはりどっしりした形の道安風炉というものがあります。千利休の先妻の子で、長男でありながら家を継ぐことなく42歳で亡くなっているこの道安という人のことを、これまであまり調べたことはなかったのですが、竹花入といい、瓢花入といい、重量感のある作行きに惹かれ、少し本を探してみました。茶人の系譜を書き連ねた本の中に簡単ではありますが道安について書かれた部分が見つかりました。(写真)

 その文章によると利休の嫡男でありながら足なえの病気のために家を継がなかったこと、初め紹安と名乗り、号は眠翁、細川三斎に仕え、三百石を拝領、天正15年に42歳で亡くなった、とありました。家督を弟に譲ったというと何か線の細い感じを受けますが、この花入2つを見ていると決してそのような人物ではなかったように思いました。

 利休の作った茶杓や利休の好んだ黒楽茶碗を見ると非常に研ぎ澄まされたものが感じられ、時に、小さな茶杓に剣のような鋭さを見る思いがします。それに対して道安の作ったものには包容力のある堂々とした雰囲気が感じられました。この大きな違いがもしかすると道安が跡継ぎにならなかった理由ではないかしら、とも思えました。あまりに厳しすぎる利休の好みよりは鈍重とさえ映る道安の作品の方が私は好きなのかもしれません。今度から、もう少し気をつけて道安の作品を見つけてみようと思いました。

 道安のことを探している中で、茶花の本を数冊見つけたのですが、そのうちの『茶花の入れ方と茶花の歳時記』(新樹社)という本に竹花入の写真が載っていましたので、転載いたします。この本は福島県白河出身の伊藤抱月庵という方が書いたものです。抱月庵は明治22年生まれ、早稲田に学び、石州流のお茶をやった人物です。昭和43年に発行されたこの本は茶花とはいかなるものかということから始まって、花入についての知識が書かれ、そのあとに桃山時代から現代にいたるまでの茶人が挿した茶花が季節ごとにまとめてあります。

Hanaire_2


例えば今日12月4日の項を見ると、慶長11年にはこの日、連成院という人が椿、水仙を竹の花入に入れていて、大正13年のこの日には益田鈍翁が古銅細口・銘ソロリに太郎庵椿を一輪挿したとわかります。(慶長のこの日は旧暦なので、実際には違う季節でしょうが…)茶人たちが残した茶会記からこのような本が作られたのでしょうが、なかなか興味深い内容です。

大自然の命を表す野の花を、できるだけ少ない分量で床の間に表現するのが茶花であると抱月庵は述べていますが、確かに花一輪がテーブルにあるだけで、何か潤いが感じられます。実は私もこの6月ごろから近くに小さな菜園を作ることになり、少しずつ茶花を育ててみようとしています。以前竹やぶだったところを畑にするのは思った以上に大変で、土日の休みに作業をしていたので、昨年ほど美術館に行くことができませんでした。(ブログをさぼっていた言い訳です。)それでも植物を育てるのは楽しくて、新鮮です。これからも花づくりと美術館通いの両方を欲張って、でもどちらも中途半端になるのでしょうが、やっていこうと思います。

いつか、抱月庵の本の写真のように竹花入に美しく花が挿せるようになるといいのですが。

Kakehana_2


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