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シルクロードと能衣装

Oshogatu


 今日は、東京国立博物館にカレンダーを求めに行きました。例年のとおり「博物館に初もうで」というキャッチフレーズで、東博は2日から開館し、結構な人でにぎわっていました。

 年始の気分にぴったり、と嬉しくなった展示品は、「厚板唐織 白地菊唐草模様」という能衣装です。この「厚板」というのは錦や唐織など厚手の織物のことで、厚い板に巻かれて舶載されたことからこうした名で呼ばれた高級な織物だそうです。能の男役が内側に着る衣装なので、もともとは格子や段、縞など、幾何学的な反復模様が主流であったものが、次第に役柄にあわせた文様になっていった、と説明されていました。

 私が気に入ったこの「厚板唐織 白地菊唐草模様」も公達のような役柄の衣装であったろうということでした。地の白というところからして、白馬の王子様を連想させ、若く、華やかで美しい人物を表現するための演出が感じられます。私の持っているお能の解説書の写真を見ても、「敦盛」や「忠度」、「松山天狗」などの作品の能役者が内側に白地の着物を着ています。

 また、色とりどりにデザインされた菊も引き込まれます。花びらの形は一様ではないし、配色にも一定の規則があるわけではなく、それでいてほどよい安定感を保ち、ひとつひとつの色と形を見て楽しめる意匠です。そうして、その菊の花の周囲は唐草文様で区切られていました。つまり、白い糸で表された唐草で格子のように仕切られた中にいろいろな菊の花が、お行儀よく並んでいる、というデザインなのです。同じ能衣装でも、女性役の衣装ならばもっと細やかな柄が多く使われているようで、やはり整然と並んだ大柄のものは男性用のデザインなのでしょう。

 現代の私たちはこうした大柄のものは帯として使います。唐織の大柄で、整然と文様の並ぶものは格の高いものとして、正式な場で使うことが多いのではないでしょうか。男性用であったものも、帯にしてしまえば女性にも使うことができますね。

 ところで、年末、NHKがシルクロードの絶景50を紹介する番組を再放送していたのを見ました。あらためてシルクロードという概念に含まれる地域の広大さと、その文化や風土の多様性を想いました。それでも、その遠いシルクロードを、唐草文様は西へ東へと伝えられました。東の端の、まだその先にある日本にも伝えられて、美しく変化しました。

 番組の中にもさまざまなシルクロードの唐草文が出てきていましたが、少し考えただけでも、仏具にある唐草文、茶入れの仕服にある唐草文、飛鳥時代の瓦にある唐草文、中央アジアの絨毯にある唐草文、イスラム建築のタイルにある唐草文、本当にいろいろなところに唐草が描かれています。そのような流れの中にこの菊唐草文の能装束があると思うと、またさらに、奥行きのあるものに感じられました。

 東博では丑年にちなんで、牛の絵やデザインの展示もありました。渡辺始興ののんびりした牛の絵が気に入りました。ベトナムの大皿に描かれた牛も魅力的でした。(この本館特別1室の展示は今月25日までということです。)

 ほぼ満足の初・博物館だったのですが、カレンダーは昨年のうちに売り切れてしまったとのことで、目的は果たせずに帰宅いたしました。


(写真は、お正月用の大きな花が飾られた東京国立博物館本館。行った時は、ちょうど江戸の物売りの声を披露する芸人さんがいて、人を集めていました。朝顔や夕顔の苗売りの呼び声など、歌のようでいいものでした。)

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