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陶磁の道と福建

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 例年ならば桜の花の盛りに行われるオール学習院のイベントも、今年は葉桜の木陰で開催されました。その中で「東アジアの海とシルクロードの拠点 福建」という展示会を見て参りました。この催しは明治大学博物館と学習院大学史料館で提携して行われるもので、こうした大学間での共同開催展は日本で初めての形式だそうです。

 大学の構内に貼られたポスターは明るい紫色の地に美しい女性の傭の写真があり、その周囲には呉須赤絵の皿、建盞の天目茶碗、金属の合子などがデザインされていました。ポスターのタイトル「福建」の脇には「茶文化、陶磁器、水中考古」とあり、また、出品目録の方には「東アジアの海とシルクロードの拠点 “福建”―沈没船、貿易都市、陶磁器、茶文化」とあり、展示品にも水中からでた陶磁器や船の模型がありました。

 高校生の時、世界史で夏休みのレポートが課され、「原稿用紙3~5枚」という部分の「~」がぬけていて、先生はその場でその誤りを訂正なさったにもかかわらず、話を聞いていなかった私は35枚だと信じ込んで長いレポートを書いて提出したことがあります。その時テーマに選んだのがシルクロードなどの東西交流についてで、何冊かの一般向けの本を読んでこのレポートに取り組みました。私が本格的にシルクロード好きになったのも、文章を書くのが好きになったのもこの35枚のレポートを書いてからのことのような気がします。人生、何かの間違いで道が見つかることもあると思います。

 その一冊はNHK取材班の出した『壮大な交流』(未来への遺産取材記)で、もう一冊は三上次男さんの『陶磁の道』だったと思います。他にも何か読んだような気もしますが、この2冊ははっきりと覚えています。それらの本の中で、エジプト・カイロの南にあるフスタートという廃墟に中国の陶磁のかけらがたくさん埋まっていたということが書いてありました。美しい陶器のかけらが人類の古くからの大きな交流を証明しているということがとても感動的で、驚きとともに挿絵の写真に見入っていました。

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 今回の「福建」展にも青磁や白磁、禾目天目、呉須、コバルト色の絵皿など、多くの陶磁器が出ていました。時代も唐から五代と考えられている建陽の出土品に始まり、南宋、元、明のものまでありました。福建博物院と愛知県陶磁資料館からの出展品はなかなか見ごたえがあり、さほど大きくはない史料館でしたが、じっくりと楽しめました。

 おもしろいと思ったのは青い絵柄の壺の説明で、中国のものとしては絵が粗雑で低級なものとして扱われていたものが、日本ではその絵柄の勢いのある点などが評価されて人気があったというものでした。確かに私たち日本人は緻密にきっちり描かれたものより、一筆で一気に描かれる絵を好むところがあるように思います。それは最初から最後まで乱れることなく広げられるイスラムの唐草文様のような安定感や、これ以上に華やかにはできないだろうと思うほどきらびやかに文様を埋め尽くす中国明の五彩の派手さとは別の美しさでしょう。交流の中で、いろいろなものが運ばれ、その中からそれぞれの地域の趣味に合ったものが育てられてきたということが、なんだかとても面白く感じます。

 中国の白粉を入れる合子がお茶の世界に入ってお香を入れる香合になったり、薬などを入れてあった小さな陶器が濃茶を入れる茶入になったりして、日本で領地ほどの価値を持たされることも歴史の不思議さをみる出来事です。

 最近では沈没船から引き揚げられた物から当時を考える水中考古学という学問も発展しているようです。「グローバル化」などという言葉は今さらになって使われていますが、実は人類はとっくの疾うにグローバル化していたわけで、その証明にいつまでも変わらぬ美しさを保っている陶磁器たちが役立っていました。

(写真は同展のちらし裏表と『壮大な交流』(未来への遺産取材記)の表紙・裏表紙)

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コメント

勘違いとはいえ、高校生で、レポート35枚とは、すごいですね。

大学時代、論文は長いと、評価されるという噂がありましたが、読まされる方は大変だから、そういうこともあるかもしれません。

でも、郁さんは、中身もしっかりして、そういうことはなかったようですね。

●流風さん、こんばんは。
高校生の作文の長いのを読まされた先生は、お気の毒ですね。
今は国立大学で教授となられているその先生とは、最近また仕事の上でお世話になっています。いつまでも成長しない生徒に呆れていらっしゃるのではないでしょうか。

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