最近のトラックバック

美術に関する本

作品が掲載されているHPへ

  • 八橋蒔絵硯箱
    燕子花と橋のデザインされた光琳の作品 (東京国立博物館HP)

裏磐梯 五色沼周辺 1


  • 猫魔から五色沼入口へ向かう散策路を歩きました

さくら

  • Dsc00334_edited
    いろいろなところで撮った桜の写真です。

青楓の小石川後楽園


  • 5月3日小石川の後楽園の庭を歩きました。

« 異形のものを創り出す力 | トップページ | 能・砧をみて »

文化を引き継ぐ空間

Monzeki1

Monzeki2

 東京藝術大学美術館の「皇女たちの信仰と御所文化 尼門跡寺院の世界」展に行きました。前日に思い立って友人にメールするとオーケーがもらえたので、今回は話し相手のいる楽しい見学になりました。(しかも、チケットまでいただいてしまいました。ありがとうございます!)

 花の美しいお寺の写真パネルを見ながら展示室へ行くと、最初に目に入ったのは法華寺の十一面観音像の須弥壇。御像は御分身(摸刻)で、その前には小さな善財童子や善知識像(供養者の像)がたくさん置かれていました。小さな手を合わせる者、ひざまづいて祈る者、服装もいろいろで可愛い御像たちでした。

 尼門跡寺院、と聞いて私は勝手に京都のお寺を想像していたのですが、法華寺は奈良のお寺。東大寺の大仏を造ろうと発願された聖武天皇の皇后である光明皇后がいらした宮をお寺にしたところです。おふたりは熱心に仏教を信仰して、この国を仏教の力で守ろうとしたと伝えられます。ですから、日本で最初に仏教と深く関わった有名な女性として光明皇后がいて、そのお寺が尼門跡寺院の最初に紹介されることは、考えてみれば当然です。

 展示の品々は、やはり女性らしい可愛らしいものやきれいなものが多くて、今まであまり見た事のないようなものもありました。幼い皇女が寺に入る事もあって、皇女として、仏門の人間として、身につけるべき教養を教えるためのいろいろな教材もありました。源氏物語の絵を見たり、仏の世界の双六をしながら、彼女たちは皇族として、尼として育てられたそうです。美しい貝合わせもありましたが、よく夫婦の契りになぞらえて嫁入り道具にされたというこの遊びも、尼となる彼女たちにはそのような意味を持ち得なかったことを想い、少し複雑な思いがしました。

 ところで、この展観を見る少し前に、寺の大黒である叔母が『禅』というDVDを送ってきてくれて、早速見てみました。道元の一生を描いた映画なのですが、禅宗寺院の生活も織り込まれていて、私達一般人にはなじみのない宗教人の暮らしを垣間見る事ができました。現代にあっても、そうした、数百年間営々と続けられている宗教生活を受け継いでいる人たちがいるのです。

 同様に今回紹介されたような、尼門跡の寺院での暮らしをなさっている方々がおいでになり、私達はほんのときどき、お寺にお参りしたり、拝観したりして、その優雅に見えるようすを楽しませてもらいます。人によっては、このようなこととは何の関わりもなく暮らす人も多いでしょう。それでも、どこかで古くからの伝統を守っていてくれる、という安心感があるのではないでしょうか。テレビのコマーシャルや、ニュースの合間の風景写真としてそのお庭を拝見したり、華道や茶道の雰囲気を楽しんでみたり、思っているよりはどこかでそうした世界と繋がっているようにも思えます。

 尼門跡寺院というあまりなじみのない世界の展観ではありましたが、ともすれば根なし草のようにどこへでも行ってしまいそうな現代社会を、ずっしりとした存在感で、あるべきところに引き留めておいてくれる、そのような空間があることに感謝したいと思いました。『禅』の描く日本の風景の美しさや、尼門跡の世界の美しさが私には救いのようにも思えました。

Monzeki3_3


(写真上は同展のちらし。下は同展の雑誌広告。皇女和宮所用の小姓さんとおたやんさん、という人形がとてもかわいかったです。)

« 異形のものを創り出す力 | トップページ | 能・砧をみて »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/88028/45178174

この記事へのトラックバック一覧です: 文化を引き継ぐ空間:

« 異形のものを創り出す力 | トップページ | 能・砧をみて »

日本の美術・アジアの美術2

夏の会津

  • 15  喜多方の観光馬車
    会津若松で白虎隊の墓所、御薬園、鶴ヶ城をまわりました。