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飄々とした明るい道教の美術

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 三井記念美術館で開催されていた特別展・「知られざるタオの世界 道教の美術」展に参りました(6日まで)。6月、北京に旅行に行った時に見たふしぎなイケメンの閻魔さま4人組の像(写真 下)についても、今回の展示で理解できました。この展覧会はこの後、大阪市立美術館で行われるようで、会場にはそちらのちらしもありました。(写真 上)

 今回の図録の解説にも書かれていたことですが、道教の美術とは何を指すのでしょうか? 道教がまとまりのある宗教として伝えられなかった日本では、仏教や神道に影響を与える存在としての認識はあるものの、では、何が道教か、と言われると答えに窮してしまうところがないでしょうか。江戸時代の庚申信仰、仏教における天部や圏族に入っている神々、七夕祭りや星宿信仰、あるいは禅画にみる道教的なテーマなど、いろいろと見つけられるものの、はっきりとこれ、というものが少ないような気がします。

 解説の文では、このことを、「展覧会を準備しながら日々感じたのは、日本国内には道教尊像がほとんど伝世しなかったという現実である。(略)まるで中心が空洞でその周縁のみがあるような、さながらドーナツ化現象を呈しているのである。これでは「道教の美術」展ではなく「道教の影響とその美術」展であろう。」と齋藤龍一さんという方が語られていて、その解決策として、元始天尊・太上道君・太上老君という三清の像など道教尊像は台湾から借用したことを述べられています。

 私が北京で出会った4人の若い閻魔さまのような尊像も、実は伽藍神というもののようです。本展覧会では神奈川の寿福寺というところの南北朝時代の伽藍神倚坐像3軀が展示されていました。残念ながら私はこうした伽藍神に出会ったことがなかったので、ふしぎな閻魔さまの4人組(↓)と見たわけです。

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 道教の寺院などに行って感じることは、文字の世界、言葉の世界から始まったのではないかということです。というのは、そうした寺院や拝殿には大きな垂れ幕や幡、あるいは大きな位牌のようなものがあり、神様の名前が書いてあるからです。像がある時も傍に名前が書いてあることが多いし、画像でも文字で神様の名前が示されていることが多いように思います。有名な書家たちの美しい文字で道教経典が残されていることも、そのように感じる理由かもしれませんが、まず言葉があって、その後に図像が考えられているような感じを受けます。

 もうひとつの道教の印象はその明るさです。異形の神や、鬼の類もみな、どこかユーモラスですし、年をとった仙人たちの表情も飄々として、にやりと笑っている印象があります。福禄寿、つまり幸福で、お金があって、長生きするという現世利益を第一に考えるという道教の考え方では、暗い顔をして内面に向き合う必要はないのかもしれません。自己犠牲やら、諦念という現世を捨ててしまう生き方を示唆する仏教とは異なって、とても明るい感じを受けます。仏教の中では珍しくこの世を日々生きることが修行であり是だとしている禅宗と、この道教が親密になったのもこの生命肯定主義からか、とも考えました。

 さまざまなものが展示されていましたが、以前このブログでもご紹介した星曼荼羅もでていました。また、谷文兆の「五星廿八宿神形図巻」という星の神様図鑑も面白く拝見し、子供たちに人気のポケモンに通じる想像力の楽しさを感じました。

 仕事にもかかわりのある葛洪の『抱朴子』や『雲笈七籤』なども見る事ができて、幅広いものを見せていただいた展覧会でした。

(写真は同展の図録、大阪市立美術館のちらし、北京の小さな民間博物館で見た伽藍神4体)

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