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オリジナルという魅力

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 職場で、近くの和光ホールで蘭の写真展をやっていると聞き、帰り道に寄ってみました。写真家は資生堂の名誉会長であり、東京都写真美術館長である福原義春氏です。

 最初、和光ホールと聞いて、時計台のあるビルかしらとのぞいたところ、ウィンドウには草色の和服が飾ってあり、こちらは「福田喜重展 ―繍・箔・染―」という展覧会でした。
お目当ての「私と蘭138」福原義春写真展は並木通り沿いの新しい和光のビルで行われていました。

 会場には黒をバックにした大きな蘭の写真が吊り下げられ、かすかに揺れる写真の間を歩きながら鑑賞するようになっていました。つややかな美しい黒の背景の中に浮かぶように捉えられた蘭の花たち。そのふしぎな造形にあらためて驚かされ、心を奪われます。

 会場の一番奥では大画面テレビが2台置かれ、これらの蘭の花を撮影した福原氏のインタヴュー映像が見られます。勤め帰りの人か、夕方からの待ち合わせに一足先に来て写真を楽しむ方か、あるいは蘭の愛好家とお見受けできる方も、皆が静かにそのインタヴューを聞いていました。

 福原氏がカメラと出会ったのは修学旅行で日光の戦場ヶ原に行った時のことで、幾枚かの植物の写真をとり、それを伯父さんたちに褒められたことがきっかけだったそうです。また、蘭との出会いはお父様が温室で大切に育てられていた蘭で、幼い頃から父君の周囲を遊びまわってはたしなめられつつ、そのうちに植え替えなどの手伝いをするようになったというお話でした。そのように、小さい時からの出会いを今もって大切になさっていることが、氏の魅力の大きな基盤になっているのではないでしょうか。

 福原氏は、「オリジナル」にこだわってきた、と語ります。写真の仲間が向かう方向と違っても、自分の方向を見失わず、身近にある温室から自らお育てになった蘭を部屋に持ち込み、撮影し、迷うことはなかった、というのです。批判されればされるほど、逆にこれが自分の写真だと思った、という福原氏は、静かだけれど、強さをもった方のように思いました。私も、また私の子供たちなども、つい周囲の情報に惑わされ、迷うことの多い日々を過ごしていますが、自然に育まれてきた基盤の上に打ち立てられたものには無理もなく、少しのことでは揺るがない強さが実現されるのだな、と反省しました。ひとの声に惑わされない「オリジナル」の魅力は憧れです。

花期の長い蘭の花も、長年ご覧になってこられた厳しい目で見れば「美しいのは、ほんの数日」だそうで、開ききる少し前と、枯れていく直前が美しい、と語っています。撮影方法も極力自然な光を心掛け、あまり特殊な方法は取らずに虫の目になって撮影している、とのことでした。

 確かに、作品の間を歩き回っていると、虫の目になったような錯覚があり、こうしたことは、現実に蘭の花の前にいてもめったに起こらないことだろう、と思いました。写真という美術はこのように、不思議を体験させてくれる可能性のあるものなのだな、と感じました。しかも、このような写真を見た経験は、きっとその後、本物の蘭の花に出会った時にも蘇り、いままで以上に感動を創り出してくれるような気がします。


(写真は同展のパンフレット)

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コメント

●会場では蘭の絵葉書が販売されていました。受け取って振り返ると福原氏が立っておられ、帰ろうとする私に会釈してくださいました。お話を伺って帰るような温かさを感じました。

御久し振りです、古宮です(^_^)v

bud蘭の写真展に行ってdash来たと聞くとear
郁さんは"和と花"が本当に好きなんだな~とつくづく感じますhappy01

●古宮さん、お久しぶりです。
育てるのはいまいち上手にできませんが、
見るのは好きですね~。
そろそろ、桜のたよりが聞こえてきましたね~♪cherryblossom

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