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完璧な雛の屏風

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 出光美術館の「琳派芸術」展の後期の展示を見に参りました。もう1週間も前のことです。この駄文を書くまでに時間がかかったのは、美術館で、図録とともに『もっと知りたい酒井抱一 生涯と作品』(玉蟲敏子:著 東京美術)という本を一緒に買い、それを読んだりして、抱一という人について少し思いをめぐらしていたからです。

 あの「風人雷神図」や「秋草図屏風」で有名な江戸の絵師は、譜代大名の出身で、姫路城城主の孫として生まれた武家でした。兄の酒井忠以(ただざね)の文化サロンで絵画、俳諧、和歌、能などを学びながら育ったという人です。

 展示物の中に、小さなしかし完璧な美しさの屏風がありました。「四季花鳥図屏風」というもので、表は金地に四季の花々が描かれ、裏は銀地で波の文様が描かれていました。これは本の解説に寄れば甥忠実(ただみつ)の養子と徳川家斉将軍の娘との縁組の成就を願って(あるいは、これを知っていて)描かれたのではないか、とのことでした。このような立派な屏風の前には、やはり立派な雛人形が飾られたのでしょうか? 本当に非のうちどころのないような、すてきなものですが、しかし、その完璧さがかえって抱一の弱さにも少し感じました。

 もちろん、贈り物にすることを前提にして作られたものは作者の描きたいもの、作りたいものとは異なるかもしれませんが、若いころからあらゆる分野でセンスの良さを発揮していた抱一という人が、それをさらに打ち破る何ものかを目指していたのではないか、と思いました。

 俵屋宗達の「蓮池水禽図」というカイツブリと蓮の花を描いた水墨画を「宗達中絶品也」と評した審美眼を考えると、その理想と自分の間をどのように埋めていくのかが、人生後半のテーマで、その答えがあの「秋草図屏風」だったのかしら、と考えました。

 抱一は若いころから吉原になじんで、幾人かの一流の女性たちがその周囲にいたようです。「十二ヶ月花鳥図貼付屏風」を見ていると、草花の中には2羽の鳥がいて、お互いに見合ったり、お互いを探しあったり、あるいは、並んでいてもそれぞれが違う方向を見ていたり、また遠くから意識しているように見えたり、何か、12月それぞれにちがう関係を見せているようにも思えました。きっとセンス抜群の抱一は男女の機微にも繊細な人だったのだろうな、と想像しました。

 畠山記念館の「酒井抱一 琳派の華」展(3月21日まで)にも行きたいのですが、時間がありますでしょうか?

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