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長い道程

Isiwatari


 石踊達哉さんの展覧会 http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/ishiodori/ を観て参りました。三十三間堂で有名な妙法院の障壁画が完成したことを記念し、その障壁画を観ることができました。

 もう何年も前になりますが、一番初めは確か、カレンダーの絵として出会ったのですが、美しい金色がちりばめられた樹木の絵がすてきだと思いました。今回出されている絵にもきらきらとした樹木の絵がありました。梅や桜のような小さな花が画面に広がるような絵は銀座の画廊でも見かけたことがあり、とても人気のある日本画家のおひとりなのではないでしょうか。

 しかし、今回出されていた絵はそのような絵ばかりではありませんでした。こんな絵も描かれるんだ、と少し驚きながら観てまわりました。展示会場の最後に近いところで、NHKのものなのでしょうか、短いビデオが映じられていました。そのなかで、石踊氏が芸大時代に描いていた絵も紹介されていました。女性の裸体とともに、若者にはしばしばみられるような、焦りや壁といったものが表現され、今の作品とは違う雰囲気の絵でした。

 確かに、会場の絵の中にも同じような空気を伝えるような絵がありました。ビデオでも、若い頃、どのように進んで行けばよいのかと悩まれたような氏の来し方を伝えていたように思います。

 氏はパリに留学中、カルナヴァル美術館というところで、奥村土牛と中川一政のふたり展を観たとき、奥村土牛氏の牛の絵に日本画の力を感じた、と語っていました。おそらく、その絵がそれまで氏の中にあった迷いのようなものを晴らしてしまったのでしょう。そののち、石踊氏は日本画の伝統的な手法をさまざまに使いながら、現代に生きる感覚を表現するようになった、ということでした。

 その姿勢はこの3月にあった東日本大震災の後描いたという作品にも反映されているように感じられました。一瞬にして奪われてしまった多くの生命が宇宙に広がっていくような絵でした。妙法院の障壁画として描かれ、輪廻転生を表現したという絵も震災のニュースを受けながら筆を執ったとおっしゃっていました。

 人気作家の単に美しい絵ではなく、現在に生きる人としての苦しみや悩み、あるいは喜び、感動、哲学が結晶した作品は、長い道程というものがあってこそのものだったのだと感じた展覧会でした。

(写真は展覧会場で売られていた絵葉書です)

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