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香港で見た霊獣たち

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香港芸術館に行って参りました。珍しく娘が一緒に旅行に行こうと言ってくれたので、ふたりともまだ行ったことのない香港に行くことにしたのです。私の興味はいつも変わらず、美術館や博物館。娘のウィンドウ・ショッピングに付き合うかわりに、娘も香港芸術館の見学に付き合ってくれました。

 1962年に設立された香港芸術館(前の名前は、香港美術博物館と言ったそうです)は今年ちょうど50周年を迎え、節目の年として、大英博物館の収蔵品を展覧する「神禽異獣」(Fantastic Creatures)展を開いていました。建物の外壁にはその展覧会を知らせる大きな大きな幕がはってありました。また、清朝皇帝の黄色い龍をあしらった「中国瑞獣珍禽文物」(Fantastic Animals in the Arts of China)展の大きな幕が並べてはられていて、共通のテーマで海外のものと中国のものを同時に見られる企画となっていました。

 古代から現代に至るまでの、しかも大英博物館が世界中から集めた想像上の動物は、とてもおもしろい展示でした。小さな子どもたちが見学に来ていましたが、テーマがわかりやすいので、喜んでみていました。図録の最初に「穿越時空的旅程」(a journey through place and time)と書かれているとおり、本当に広範な時代と地域からのものがあり、普段あまり見ない中世から近世のヨーロッパ版画、インドの絵画や彫刻類、南米の色鮮やかな偶像といったものがありました。

 今年は辰年ということもあるし、想像上の動物の代表ということもあるのか、展示物に龍が多くありました。中国明代の山西省の廟に使われていたという青い陶器の龍があるかと思えば、15世紀ベトナムの青花陶壺の龍があり、中国紀元前の玉佩のシンプルな龍もあり、また1992年メキシコでフェリペ・リナール氏が制作したというアニメから出てきたようなビビッドな龍もいました。洋の東西で聖なるものと悪魔の使いと、その扱いが分かれる龍をみることができました。

 鳳凰やガルーダのような想像上の鳥もさまざまなものがありました。目をひいたのは、ボルネオの「犀鳥」(Hornbill bird)というもの。イバン族という人たちが作った木製の鳥は宗教儀式に使われ、儀式の後は巨大な柱に取り付けられて敵の地ににらみをきかせていた、ということです。古代の朝鮮や日本にも村の境界にチョンスンという鳥を象った柱があったということを聞いたことがありますが、同じ習俗なのでしょうか? ボルネオの森に住む色鮮やかな、大きな声で鳴く鳥を思わせる木像でした。また、細い口が二つついているナスカの壺は怪鳥が生贄の人の頭をくわえているのか、妙な絵が描かれ、これまた明るい色使いのものでした。造形は単純化され、色は原色に近いものが多く使われて、明るい印象なのに、なぜかどこか恐ろしい感じがする、という不思議なものがいくつもありました。

 エジプトの獅身人面像つまり、スフィンクスもありましたし、ギリシアの美しい彩陶壺もありました。日本からは般若の面と河童や麒麟の根付が出ていました。12世紀から13世紀のものというイランの琺瑯のボウルには鳥の身体をもつ妖女ハーピーが描かれていました。17世紀のイタリア人が描いたリアルな印象の人魚の絵もありました。人魚を想像するのに女性の肢体を思い浮かべるのはどこも同じなのですね。


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 大英博物館の展示の後は中国の文物を見学しました。先にご紹介した「中国瑞獣珍禽文物」だけでなく、金属工芸や陶磁器、書画などの部屋もありました。長い中国の歴史の各時代から精選された美しい品物が並べられていました。娘は金属工芸の細やかな技術に興味を覚えたようでした。高貴な人々がつけたと思われるアクセサリや服飾のいろいろは、現代に持ってきても充分人々を魅了する力のあるもので、古代から人の感性は変化がないようにも思えます。

 香港芸術館にはミュージアムショップもあり、図録やお土産を買いました。また、春の霧雨に煙るビクトリア・ハーバーが望める広いロビーもあります。喫茶店もあり、私たちはそこでお茶を飲みましたが、同じエリアにはもう少しおしゃれなお店もあり、そちらの方が混んでいたところをみると、選択に失敗したのかもしれません。

 年末にだったか、婦人雑誌で「神禽異獣」展の記事を見かけた時は、「香港では、行けないな」と思った展覧会でしたが、幸運にも見ることができました。霊獣たちの力で呼んでもらったのかもしれません。感謝です。

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(写真はこれら展覧会の図録とパンフレット)

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