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ボストンから来た馬頭観音

Boston2012


 東京国立博物館で開催されている「ボストン美術館 日本美術の至宝」展に行きました。フェノロサ、ビゲロー、岡倉天心、モースという一般にも有名な人たちが作り上げたコレクションは素晴らしい美術品が並んでいて、会場では「これが日本にないって、ちょっと残念ね」という声が聞かれ、私も内心「同感です」と思いました。

 図録の解説を読んで驚いたことは、このコレクションを作り上げたフェノロサ(1853-1908)やビゲロー(1850-1926)、そして岡倉天心(1853-1913)が若いうちからこの仕事に取り掛かったということです。たとえば、図録14ページにあるこの4人が写った1882年の時点でフェノロサと天心は29歳、ビゲローは32歳、モースは44歳です。

法隆寺の秘仏を開けたというエピソードで有名なフェノロサは、ハーバード大学を卒業した後、ボストン美術館付属美術学校で絵画や美術教育を学んでいたといいます。25歳の時、モースの推薦で1878年に東京大学に招聘され、政治学や哲学を教えたそうです。

そんな若者が骨董屋で偽物を掴まされるという失敗を乗り越えて狩野派や住吉派の絵画を学び、あのようなコレクションを作っていったのだと思うと、改めてその努力が偉大だったと感じます。

そうした若い感覚で選ばれた美術品は清新な美しさが感じられるものが多いように思いました。中でも心ひかれたのは「馬頭観音菩薩像」。絹本着色の平安仏画です。三面三目、赤い肌をした八臂の像で、もとは軸装だったものをボストン美術館が額装に仕立て直したというものです。

六道の畜生道に落ちた者を救うという馬頭観音は異形の仏で恐ろしい顔をしているのですが、絵の正面に立った時、なぜか、この恐ろしい姿の仏がふっと、慈悲深い女性のような観音の姿へと変化するように感じられました。

自分がなぜそう感じたのか、理由を考えてみたのですが、連弁のピンク色のグラデーションや傘蓋から垂れさがる飾りや光背部分の白く光るところがまるで桜の花びらのように見えること、あるいは手足の表情の優しげなようすなどかしら、と思います。それでも、こういった憤怒相の仏画を観て、そのように感じることは初めてなので、この絵がやはり何か特別な力を持っているのかもしれません。

Boston1991


平成3年(1991)、父と一緒にボストン美術館秘蔵フェノロサコレクション屏風絵名品展を観た覚えがあります。子育ての最中であったせいか、牛若丸を懐に入れて抱き、今若、音若を連れた常盤御前を描いた「常盤雪行図」(横山華山筆)が心に残っています。今回の展観では何が心に残るでしょうか。


(写真の上は現在開催中のボストン美術館日本名品展の図録。下は平成3年の「ボストン美術館秘蔵フェノロサコレクション屏風絵名品展」の図録です。)

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