最近のトラックバック

美術に関する本

作品が掲載されているHPへ

  • 八橋蒔絵硯箱
    燕子花と橋のデザインされた光琳の作品 (東京国立博物館HP)

裏磐梯 五色沼周辺 1


  • 猫魔から五色沼入口へ向かう散策路を歩きました

さくら

  • Dsc00334_edited
    いろいろなところで撮った桜の写真です。

青楓の小石川後楽園


  • 5月3日小石川の後楽園の庭を歩きました。

« 王羲之の実像と伝説 | トップページ | 幾何学的唐草模様の美しさ »

天目茶碗の青い不思議な光

Tenmoku01


 母に誘われて久しぶりに世田谷の静嘉堂文庫に行きました。父も一緒です。現在開催されているのは、「静嘉堂蔵 茶道具の美 岩崎家父子二代のコレクション」展です。

 会場は平日の昼というのに結構な混雑で、熱心に友人同士、道具のあれこれについて語り合う女性たちで賑わっていました。後期展示の初日にあたる日だったからでしょうか。

 いつもながら、茶道のいろいろな文献に出てくるような有名な器物が並び、圧倒されるような展覧会でしたが、以前よりもパネルでの説明が詳しく、昨年中国で発表されて話題となった2009年杭州出土の曜変天目茶碗についてなど、陳列されている茶碗に深く関わることがわかりやすく説明されていました。

 それにしても曜変天目茶碗の青い光は不思議です。中国福建省の建窯で焼かれた中で、このように完形品として現存するのは日本にある三碗だけというのです。岩崎小彌太は「名器を私に用うべからず」と、この碗を使うことはなかったというのですが、確かに、この茶碗はすでにこの器物だけで完全なものになってしまっていて、ここに緑色の抹茶が点てられている様子を想像しにくいものでした。茶碗の中に宇宙を持つと表現される曜変天目はお茶を拒否する茶碗なのかもしれません。

 また、大名物の付藻茄子と紹鷗茄子がX線写真とともに展示され、江戸時代の塗師のすばらしい修復の技が伝えられていました。X線で見るとふたつの茶入はかなり小さな破片になっており、これをよく美しい姿に復元したものだと感心しました。両茶入は大阪夏の陣で壊れていた、ということです。また、面白いな、と思ったのは、岩崎彌之助が自分の建てた会社が「九十九商会」であったために、同じ「つくも」の茶入を是が非でも手に入れようとしたエピソードです。NHKの大河ドラマで香川照之さん(市川中車)が演じた彌之助を思い出し、親子で笑ってしまいました。

 静嘉堂といえば、仁清ですが、今回は美しい色絵吉野山図の茶壺や無一物に加えて、「数茶入18口揃」というものが出されていました。これは『君大観左右帳記』所載の茶入を再現したものということですが、茶室ではあまり見かけない珍しい形の茶入が可愛く並んでいました。まったく、仁清という人は器用な人だったのですね。

 利休物相といわれる唐物茄子茶入に添えられた「堆黒雨龍文菱盆」もとても存在感のある盆で、南宋時代という激動の時代に思いを馳せるにちょうどよい手がかりだと感じました。日本の茶人たちはこのように中国の古いもの、朝鮮の雑器、東南アジアの砂張(佐波理)、そして日本の焼物や竹細工など、時空を大きく隔てたものからそれぞれ役に適うものを選び出して一期一会の茶会を建立してきたのだな、と感じました。現代の私たちにもこのような自由さがありますようにと願いました。

« 王羲之の実像と伝説 | トップページ | 幾何学的唐草模様の美しさ »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/88028/56878267

この記事へのトラックバック一覧です: 天目茶碗の青い不思議な光:

« 王羲之の実像と伝説 | トップページ | 幾何学的唐草模様の美しさ »

日本の美術・アジアの美術2

夏の会津

  • 15  喜多方の観光馬車
    会津若松で白虎隊の墓所、御薬園、鶴ヶ城をまわりました。