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神への奉仕としての機織り―国宝 大神社展より

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 連休の前に、大神社展を観に行きました。同じ上野の、西洋美術館にラファエロの聖母子像を見に行き、東京国立博物館での同展も見てきました。ひとつひとつの展観を別々に見た方がよいのかもしれませんが、何かと予定が入っており、6月2日までの会期を考えると今みなくては、と2つのものを見て参りました。以前にもレオナルド・ダ・ビンチの「受胎告知」を見た後で鎌倉時代の「普賢菩薩像」を見て東西の宗教画を比較したことがありましたが、今回もまた、同じようなコースとなりました。歩いて行ける距離にいくつかの美術館・博物館が並ぶ上野ならではのおもしろさ、とも言えますね。

 展示のなかで、宗像神社の金銅製雛機(こんどうせいひなばた)というものがありました。宗像神社は九州福岡の古社で、田心姫神(たごりひめのかみ)、湍津姫神(たぎつひめのかみ)、 市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)という三柱の女神をお祀りしている神社です。田心姫神は 沖津宮(おきつぐう)、湍津姫神は 中津宮(なかつぐう)、市杵島姫神は 辺津宮 (へつぐう)にお祀りされており、この三宮を総称して「宗像大社」と呼ばれています。

 それぞれ、辺津宮はJR鹿児島本線『東郷駅』からバス、中津宮はその先にある港から船、また沖津宮は日本列島と朝鮮半島中間点にあたる玄界灘の中央にある沖ノ島にあります。この沖ノ島は司馬遼太郎さんの文章でもNHKなどの番組でも取り上げられていましたが、「海の正倉院」と言われる重要な神域で、十万点もの宝物がみつかり、そのうち八万点が国宝になったそうで、今でも女性が渡ることを禁じている場所なのです。

 その宗像神社のご神宝のひとつが、この小さな機織り機のミニチュアです。とても精巧にできていて、少しだけ布が織られています。人が使う機は木製ですが、金属でできていて、奈良・平安の頃のものとは思えないほど新しそうに見えます。博物館の解説によれば、ご神宝は人が使うものではないということを表すために非常に大きいものや逆にとても小さいものが作られることが多いようです。

 古代の人はこの近代的とさえ思えるような輝きを持つ小さな機の前にどんな神様の姿を想像したのでしょうか? 

 機織りという仕事は女性が担うことの多いものだと思いますが、糸を作り、紡ぎ、色を染め、さまざまな織る準備をし、この機織り機にかけるまでも気の遠くなるような細かい仕事が続きます。もちろん機織りそのものの作業も、根気の要る仕事です。しかし、そうした地道な作業に神への奉仕に似たものを感じます。クアラルンプールのテキスタイル美術館でみた多くの種類の布のひとつひとつにも、そうしたものを感じ、人々の祈りの気持ちがこもっている気がしました。我が国でも、布を作っていく作業そのものが神聖なイメージであることは、「鶴の恩返し」にも表れています。細い糸が美しい布に変わっていくことは、小さな積み重ねがやがて大きな財産となっていくことの確かな証拠のように感じられます。人はそうしたものを信じて、生きていくものなのかもしれないと思いました。

(写真は同展の展示品リストの上に買い求めた同展の絵葉書を並べてあります)

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