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金沢能楽美術館のひととき

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 仕事で金沢に行き、帰りの飛行機まで時間があったので、金沢能楽美術館に立ち寄りました。お城の下に広がる緑地沿いの広坂というところにあるこの美術館は、平成18年、加賀藩5代藩主・前田綱紀が宝生流の採用を決定してから320年、という年に開館されたそうです。

 開館に合わせて作られた『金沢能楽美術館図録』の巻頭にある「加賀藩能楽史の展開」(西村聡)によると、徳川第五代将軍・綱吉が「天和の治」と称賛される善政の後、しだいに猿楽に熱中していき、自らも能を演じ、観能の機会を増やし、さらには諸大名にも演能を強いるようになったことから、この藩主・綱紀も能の稽古を始めた、と書かれています。いわば上司の趣味にみんなが付き合わされているような図ですが、能は藩主幼少の心得として代々熱心に続けられたようです。

 1階には能面やビデオ展示があり、ビデオでは能楽師が衣装をつけ、鬘をつけ、面をつけていくという様子を映していました。しばらくみておりましたが、現代の男性が中世の美女へと変化していく様子は、感嘆させられるものがありました。特に印象的だったのが、面をつける場面で、この時、演者となる人は能面と向き合い、じっとそれを見つめ、しばらくあってからゆっくりと面を自らの顏にぴったりとつけていくのでした。それは、やはり、何かの魂が降りてきて乗り移る瞬間のようで、少し怖ろしくもあり、厳粛な感じを受けました。

 この美術館では、能楽体験として、衣装をつけたり、面をつけたりすることができ、私も少々心が動いたのですが、時間もなく、また、先のビデオの厳粛なイメージがあって、おいそれとは面などつけられないような気がして、やめておきました。でも、このような体験はとても貴重なものとなるでしょうから、若い方には是非体験してほしいな、と思います。

 2階では特別展として、河鍋暁斎とその周辺の人たちの絵が展示されていました。妖怪もので有名な河鍋暁斎ですが、彼自身大蔵流の狂言を学んでいたということで、能狂言に関わる絵がたくさん遺されているそうです。描かれたものを見ると、衣装の細やかなスケッチや、寺宝として伝えられた古い織物のスケッチがあり、あのダイナミックな妖怪・幽霊の絵を描いた暁斎が、実は細やかな観察眼を持っていたことに気づき、暁斎の絵が、そうした細やかさに支えられたものだからこそ、迫力をもったものとして成り立っているのかもしれないと考えました。


 3階には実習室があり、能面作りの実習が行われていた他、小さな図書コーナーがあり、能狂言に関わる絵本が並べてありました。こうしてみると、こんなに子供向けの能狂言ものがあるのだな、と吃驚しました。帰りがけに、ミュージアムショップの方とこの絵本について少しお話をしましたが、彼女も時々絵本を通じて能を楽しむそうで、確かに、謡曲集などの字ばかりの本を読むより手軽で楽しい楽しみ方だな、と感心しました。今度、私も能の絵本を探してみよう、と思いました。

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