« 細い背中の白鳳弥勒仏 | トップページ | ボロブドゥールの謎 »

2015年10月31日 (土)

古都のラーマーヤナ

picasa web albumへ 
王宮の写真です。
https://picasaweb.google.com/117390237595344033153/qOXubH?authuser=0&authkey=Gv1sRgCI-wyu31rY_cGQ&feat=directlink
プランバナン寺院群の写真です。
https://picasaweb.google.com/117390237595344033153/YstLfC?authuser=0&authkey=Gv1sRgCKqmg6uJ8avjZw&feat=directlink

Dsc_2804s_600x338

 

先月は週末を利用してジョグジャカルタに行きました。着いた日は王宮の中を見て回り王家の使っていた調度品や外国からの贈り物などを見学しました。また、宮廷の人々が着用していたバティックなどの展示も見ました。バティックに関してはそれを作っていた名人たちの写真も残っており、高齢の男女のバティック技術者たちの姿を拝見できました。宮廷の人たちのためのバティックを作ることは名誉なことで、日本でいえば人間国宝のような方々なのだろうと思いました。王様だけが身に着けられるバティック、高官が身に着ける模様、後宮の女性たちのバティックがそれぞれ作られていたのです。

染色の材料の展示もありました。 Kayu JambalBunga SrigadinMahon Kayu Secang Bunga Kasi Buah Jat Paln Tembakao など木の皮、花、葉がおいてあり、それがどのような色を染めるのに使うのかが書いてありました。ちなみに、Mahonは家具などで使われるマホガニー、Paln Tembakaoはタバコの葉っぱです。(暗い展示室の中でメモをしたので、スペルが違っているかもしれません。)

 

王宮の門の所で、面白いものがありました。一見すると丸太、あるいは、持ち手がついている巨大な麺棒のように見える太鼓です。丸太の中がくりぬいてあり、なかなか良い音がします。私が拳を作って叩いてみると、ガイドさんがこちらをたたいてごらんと言い、そこを叩くともっと良い音がしました。木をくりぬいたものがこんな楽器になるということ、不思議ですね。

夕刻にはプランバナン寺院群に参りました。世界遺産のヒンズー寺院です。中心となるロロ・ジョングランは856年、サンジャヤ朝・古マタラム王国のピカタン王が建造を始め、907年、バリトゥン王の治世に完成したそうです。35キロほど離れた所にあるボロブドゥールの仏教遺跡が造られたのはこれより100年ほど前です。仏教を信じていたのはシャイレーンドラ朝の人々で、9世紀の頃はヒンズー教徒であるサンジャヤ朝は彼らの支配下にありました。プランバナン寺院群の敷地や周辺にある小さな寺々はサンジャヤ朝の人がシャイレーンドラ朝の王に寄進したものだということです。ふたつの宗教はこのように並立していたのです。

 

Dsc_2776_1s_600x338

プランバナンの寺院群の中でも最も大きいお堂Candi=チャンディ)はシヴァ神を祀るもので、47メートルあるということでした。その両脇にはブラフマーとヴィシュヌの神を祀る23メートルの高さのお堂があります。それぞれのお堂の中心部には神像があり、基壇部分の回廊には神々の物語が彫ってあります。中でもガイドさんが力を入れて説明してくれたのが、『ラーマーヤナ』の物語。古代インドの紀元前10世紀くらいから語り継がれ、今の形に整えられたのも紀元前4世紀から2世紀、と言われる叙事詩です。インドから東南アジアに広がり、ここインドネシアでも親しまれてきた英雄ラーマの物語です。Dsc_2720_1s600x338


 

その『ラーマーヤナ』の物語の場面が石で彫られてチャンディの回廊を巡っています。仏教の菩薩のような古代インドの貴族の姿をした若者が登場し、美しいシータ姫が登場し、悪魔や魔法使いが登場する冒険譚で、猿の姿のハヌマーンも出てきます。ガイドさんは熱心にこれを語ってくださいました。石彫は生き生きとそれぞれの場面を描いており、もっとじっくりお話を伺っていたかったくらいでした。

 

この遺跡の野外劇場でもその夜は『ラーマーヤナ』の劇が行われるとのことでしたが、私たちは都合で、ホテル近くの劇場で別の『ラーマーヤナ』の舞台を観ることになりました。

優雅な身振りのシータ姫の舞、あのレリーフのポーズそのものを踊りの形で演ずるラーマ王子やラクシマナ王子に感心してしまいました。『ラーマーヤナ』は今まで影絵のものを少し見たことがありましたが、実際の人間があの影絵の人形のような不思議な動きを再現していて、面白く感じました。どこの国でも踊りというのは人形ぶりのような部分がありますが、ここではなんと影絵の人形のように動くのです。

 

 帰国してから私は電子書籍で子供向けの『ラーマーヤナ』を読んでみました。(購入するときは子供向けとは知りませんでしたが、これもまたすぐに読めて、良かったです)神話独特のオーバーな表現のなかに、人が大切にすべき心についても語られており、楽しく一気に読んでしまいました。インドや東南アジアでは、この物語を何日もかけてお祭りの時に語ったりするそうで、誰でもが幼い時から聞いているのだそうです。私の読んだ本の初版は1971年なので、現代もそのような様子なのかは分かりませんが、古代から伝えられている物語、これからも大切に語り継がれるといいですね。

« 細い背中の白鳳弥勒仏 | トップページ | ボロブドゥールの謎 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/88028/62582780

この記事へのトラックバック一覧です: 古都のラーマーヤナ:

« 細い背中の白鳳弥勒仏 | トップページ | ボロブドゥールの謎 »

タマン・アユン寺院

  • Img_2299_450x600
    インドネシア、バリ島にある ヒンズー寺院