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2015年11月28日 (土)

ボロブドゥールの謎

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 プランバナン寺院に行った次の日は仏教遺跡のボロブドゥールに参りました。ジョグジャカルタの街の中心部から車で1時間ほどでした。車窓からは苗を植えたばかりの水田が見えたかと思うと刈り取った後の水をぬいた田んぼ、青々と育つ稲の田も見えます。日本と違って年に3回米を作るというこの国では、一度に色々な生育状態の稲が見えます。畦道にはヤシの樹があって、南の国に来ているんだな、と感じます。

 

 遺跡の麓には美しい庭のあるホテルがあり、今回はこちらから入りました。テレビで見た時はジャングルの中の遺跡というイメージがあって、なんだか車で簡単に来て、しかも美しい庭を通って遺跡に向かうとは少し拍子抜けした感じです。車の中でガイドさんが遺跡が発見された経緯を説明してくれましたが、このような大きな遺跡が埋まっていて人々に忘れられていた、というのですから驚きです。

 

 このボロブドゥール遺跡を発見したとされるのが、イギリス人のラッフルズ(Sir Thomas Stamford Raffles)です。この名を聞くと私はシンガポールにあるコロニアル式の建物のホテルを思い出してしまいますが、ラッフルズは遺跡発見当時、ジャカルタの副知事を務めていたそうです。また、ボゴールにある植物園はラッフルズの妻が創始者といいますから、インドネシアにゆかりの深い人たちです。このボゴール植物園にも先日参りましたが、ここには今もLady Rafflesのための白い記念碑がありました。

 

 さて、ボロブドゥール遺跡には昨日のプランバナン寺院同様、多くの石彫画があります。ガイドさんの話では、それは釈迦の生涯、釈迦の前世譚であるジャータカの物語、善財童子が文殊菩薩ら聖人を訪ねる物語などが描かれているということでしたが、まだ何の物語が描かれているのかわからないものもあるそうで、謎がのこされているそうです。

 

 それほど大きな人物像ではないのですが、場面に合わせて人物の表情も彫り分けられており、8世紀の工人たちの技に感心してしまいます。人物とともに馬、象、鹿、鳥、亀、猿などの動物や宝相華、花綱、天人、波、船、果樹、蓮の花など、いろいろなものが描き込まれています。私は船の画面に、この海に囲まれた国が釈迦の生まれたインドと海運でつながれていたのだ、と強く感じました。古代より人々は私たちが考える以上に海を渡り、文化を伝えあっていたのではないか、といろいろな本を読む毎に感じています。

 

日本の「華厳五十五所絵巻」

には可愛らしい善財童子が旅をする様子が描かれていますが、同じ題材がこのボロブドゥールにも描かれている、ということだけでも、何だかワクワクすることです。さまざまな危険があったとしても、人は旅をして交流するようにできているんだろう、と思いました。

下記は東京国立博物館の「華厳五十五所絵巻」のページです。

http://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=A10494


写真はボロブドゥール遺跡の遠景です。
ボロブドゥールの写真はアルバムにもあります。どうぞご覧ください。
ただ、旅行に行く前日にカメラを壊してしまったので、スマートフォンで撮影したものです。

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